隙間を作ることが必要

抜かない矯正治療できる限り患者さんもドクターも歯は抜きたくありません。しかし、歯並びをととのえるには歯と歯の間にしっかりと隙間を作らなければならないのです。そのため、その隙間を作るために、これまでは①上顎の幅を広げる、②歯を少しだけ削る、③歯を抜くが一般的な隙間を作る方法でした。

最近の矯正治療
最近の技術進歩により上記の隙間を作る方法以外に、奥歯を後ろへ追いやる方法(遠心移動)というものができるようになってきています(もちろんこれまでも一部の症例には可能でしたが)。歯科矯正用アンカスクリューの使用以外に、さまざまな方法や材料により短期間に可能となってきております。

歯を抜かない治療と抜く治療の違い
ただし、この方法も万能ではなく、やはりその程度が鍵となります。相当なデコボコや上顎前突に対しては、明らかに歯を抜かないと治療が困難である場合もあります。また、横からの口元の出っ張り感も改善したいなどの審美的改善に対しては、歯を抜くか抜かないかでは明らかな差がみられます。つまり、これまでは歯を抜くしか方法がなかった症例に対し、遠心移動という方法で歯を抜かなくてもいいケースが増えているということなのです。